AIPPI・JAPANセミナー
均等論:米国法の現状
この度当協会は、米国Jordan & Hamburg LLPよりC. Bruce Hamburg氏、
Richard Danyko氏をお迎えし、標記テーマに関するセミナーを開催致します。
***詳細内容につきましては以下の内容を予定しております。***
均等論:米国法の現状
◆米国最高裁のFesto事件判決から10年以上が経過した現在、この判例を適用した
連邦巡回区控訴裁判所の判決も相当な数に上ります。Festo判決およびそれが適用された
他の判決からは、出願書類の作成・提出において、同判決の影響を軽減するための戦略を
考えることができます。また、これらの事件は、侵害を回避するための特許クレームの
設計変更や、事業適合性(非侵害)判定への対応にも大いに参考になります。
均等論の下では、特許侵害を疑われる製品/装置(「侵害被疑品」)の特徴が、
文言上はクレームの構成要件に該当しなくても、相違が非本質的なものであれば、
その構成要件の均等物と見なされる可能性があります。侵害の成立には、
特許クレームの全要素が、文言上または均等物として侵害被疑品に存在するという認定が
必要なため、均等論は、特許クレームの文言を超えた範囲での権利行使を可能にします。
しかし均等論においては、特許クレームの境界が分かるという公益と、
第三者に特許権の行使を回避されないという特許権者の利益(均等論がなければ、
特許発明の非本質的な変更のみで、法的責任が回避され得る)が対立します。
均等論は長年にわたり、米国特許法の一側面として議論の的になってきました。
最高裁判所および連邦巡回区控訴裁判所は、この相反する利害の調整に努めてきました。
過去20年に下された判決は、均等論に著しい変容をもたらし、かつ、均等論の適用を
阻止するために被疑侵害者がしばしば頼りにする出願経過禁反言も変化を遂げました。
特にWarner-Jenkinson事件およびFesto事件の判決によって、(1) 均等性の判断における
言語的枠組みが明確にされ、(2) 均等物は要素ごとの比較に基づいて判断することが必要となり、
(3) 出願経過禁反言適用のトリガーとなる一連の推定が新たに設けられ、
(4) 前項の推定を反証し得る状況が比較的狭い範囲で定義されました。
現在では、特許権者の減縮補正でクレーム対象物が放棄された場合、均等論の主張は、
出願経過禁反言によって阻止されると推定されています。Warner-Jenkinson事件および
Festo事件以降の判決で明らかなように、特許権者にとって、禁反言の推定を反証するのは
困難になっています。その一方で相手側は、禁反言によって均等論に基づく主張が
阻止されることを、訴訟時に主張できます。また、この新たなルールに基づいて、
侵害を回避するのに効果的な特許クレームの設計変更を行うことも可能です。
そのため現在では、権利化手続において次の点を慎重に検討しなければなりません。
(1) クレーム補正の必要性、(2) クレーム補正の文言、(3) クレーム補正の文言による
放棄の可能性。また、補正書類において、クレームを補正する理由を説明し、
可能であれば、補正がクレームを減縮するものではないことを表明すべきです。
本セミナーでは、次のような均等論に関連するその他の法理についても説明します。
(1) Ensnarement:均等物は先行技術を包含してはならない、
(2) Dedication:特許明細書にはあるがクレームには記述のない対象物を、
範囲を狭めたクレームの均等物だと主張することはできない、
(3) Claim Vitiation:合理的な陪審が均等性を認定できなかったことに基づく法的判断、
(4) 米国特許法第112条(f)(改正前の第112条第6パラグラフ)に定める機能的クレームの
構成要件に対して、均等論を適用できる限定的な状況。
さらに、実務上の注意点についても、プレゼンテーションの随所で紹介します。
ダウンロードファイル | H27.5.14【セミナーレポート】 |
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