AIPPI・JAPAN事務局が東京・神田に引っ越しをしてきて早くも3年近くが経とうとしています。
ここ神田には日本三大祭(江戸三大祭でもある)の一つ「神田祭」があり、非常に盛り上がることで有名です。

神輿を担いだ人を取り囲む人だかりは、上空から見ると驚く光景です。
昨今は電子機器を使用した体験が多い中で、このような人が人と触れ合い、江戸っ子の粋な掛け声と貴重な伝統行事を目の前で体験できることは、私たちの五感を刺激し、やはり楽しいものだと思わせてくれるものです。
AIPPI・JAPAN事務局の入るビルにも、さっそくお祭りの提灯が飾り付けられていました🎈

何気なく目にする「提灯」ですが・・・よく考えたら「提灯」とは何でしょうか?
居酒屋、お祭り、はたまた神社などで目にする日本人には当たり前のようなものですが、飾ってあるだけでちょっと「イイ感じ」を演出してくれます。

提灯(ちょうちん)は、中国から入ってきた漢字 の読み方 “唐音” に基づき、漢字そのままの「手にぶらさげる」という意味があり、使い方から名付けられた名称だそうです。
古く中国から伝わった提灯は「竹ひごを縦向きに組んだ、火袋が畳めない構造」だったそうです。私たちに馴染みのある折り畳み式の提灯は、この中国の提灯を改良して、室町時代に誕生したとのこと。
安土桃山時代には、葬儀の道具であった提灯(提燈)を持ち運びし易くするために軽量化し、戦場や祭礼行事に使われるようになりました。
日本人に広く普及し始めたのは、江戸時代中期だったそうです。
提灯の中に入れる蝋燭の大量生産が可能になり、庶民の間で広がった結果、持ち歩きができる灯火の道具として使われるようになったのです。
提灯は現在でも国内各地で生産されています。
江戸時代から続く日本提灯の三大産地は以下の通りです。
〇岐阜提灯:岐阜県岐阜市 〇八女提灯:福岡県八女市 〇水府提灯:茨城県水戸市
その他、神奈川県小田原市の小田原提灯、香川県高松市の讃岐提灯、愛知県名古屋市の名古屋提灯も有名です。
筆者の親戚は富山県の日本海沿岸におりましたが、かつて古い家の隣にあった蔵には、いつからあったものなのか茶色くなった「提灯」が静かに眠っていました。
どこから聞きつけたのか不明ですが、あるテレビ局が「時代劇」に使用したいとのことで譲ったことがあります。
古くなった提灯も、かつての役割を終えたものと思っていましたが、きっとどこかで現代の提灯に生まれ変わり、人々の灯となっているのかもしれません🌱

AIPPI・JAPAN事務局 執筆者:T