6月の日中韓Trilateral Meeting(韓国慶州)に参加された皆様お疲れ様でした。
現地では大変お世話になり有難うございました。会議に関する詳細報告については、月報に掲載予定ですので、そちらをご覧ください。
今会議の開催地である慶州市は、朝鮮半島南東部の少し内陸部に位置する新羅王朝時代の首都で、ユネスコの世界文化遺産に登録されている史跡が多く、日本の奈良のような古都とのことです。
日本からのフライトは、南部の釜山(金海国際空港)経由が便利ですが、行きは丁度良い時間帯の便があったものの、帰りの便は早朝の時間帯であったために、北部にある首都ソウル(金浦国際空港)経由の便でゆっくり帰国することにしました。
行きに利用した金海国際空港(釜山)は、韓国の主要空港のひとつなので、入国には1時間程度覚悟する必要があるとの口コミ情報があり、時間にあまり余裕がない旅程だったので遅れを心配したものの、幸運にも全く待ち時間なく入国手続きに進むことが出来ました(6月に導入されたばかりの日韓専用入国窓口を利用するまでもありませんでした)。
空港から慶州までの移動は、当初は高速鉄道(KTX)を利用しようとしたものの、釜山市中心部までの移動の渋滞が心配されたことと、韓国部会からのお勧めが空港からタクシーだったことから、1時間以上の道程をタクシーで直接ホテルに移動しました。道中の高速道路から見た景色は、車の右側通行とハングル文字の標識・看板を除けば、日本の田舎の風景と見間違えそうでした。
また、運よくジャンボタクシーを捕まえられたこともありますが、韓国のタクシー料金の安さを実感しました!
このお陰で、ホテルには十分余裕をもって到着したはずでしたが、チェックインが大渋滞で、結局休む間もなくレセプションに丁度良い時間となりました。
レセプションは、ホテルから徒歩10分程にある仏教関係の研修施設で行われました。大雨の予報もあったとのことでバスが用意されましたが、幸い小雨がぱらつく程度の空模様で、会場にある皇龍寺九層木塔をモデルにしたタワーを擁する綺麗な庭園も少し楽しむことが出来ました。
レセプションの始まりも韓国スタイルで、挨拶をする皆さんが全員乾杯迄するので、延々と乾杯が繰り返され、夫々が自国語等での乾杯を促すなど趣向を凝らしたものでした。リラックスした雰囲気でイベントが始まり、新旧交流が深められました。


会議場となったヒルトンホテル慶州は、市の中心部からは少し離れた普門地区にあり、湖を中心に自然にあふれたリゾート地で、湖畔には遊歩道が整備されており、早朝には多くの人がゆったりと散歩を楽しんだり、ランニングに汗を流したりしていました。


1日中ホテルの会議室での会議となった2日目のあと、3日目はエクスカーションまたはゴルフが用意されていましたが、私はフライトとの関係で残念ながらそのまま帰国することにしました。3日目は皆さんの日頃の行いが良かったようで、それまでとは一転した快晴となり、参加された方々の写真を拝見すると、夫々を皆さん満喫されていた様子でした。
韓国には高速鉄道(KTX)網があり、その主要路線であるソウル-釜山線を利用すると、慶州市はソウルから約2時間、釜山からは約30分の好立地でしたので、帰路は慶州からソウルまでKTXを利用しました。KTXはフランスのTGV技術を導入しており、最高速度は時速300Km超ですが、新幹線の便利さをイメージすると全く異なり、1編成当たりの輸送能力も小さく、便数も1時間に数本と少ないので、時間帯によっては直ぐに満席になるとのことでした。実際に本会合に参加した人の中には、予約に苦労され、座席の確保が出来なかった方もいました。一方で駅舎は日本よりもかなり余裕がある造りで、レストランやお土産物店もあって快適に過ごせましたが、TGVと同様に改札口がない構造となっており若干違和感を覚えました。昨年の杭州国際総会での中国高鐵への乗車に続いて、今度は韓国KTXに乗車することが出来て、とても良い経験となりました。ソウル駅からは金浦国際空港を経て、順調に羽田国際空港への快適な空路での帰路となりました。

今回の、釜山~慶州~ソウルのルートは見所も多く交通も便利ですので、韓国への旅行を計画する際には候補ルートのひとつとして検討されると良いかと思います。
執筆者:AIPPI・JAPAN 常務理事 阿部正俊