2025年も11月下旬に突入しました。
九州地方から関東は、現在紅葉が見頃です🍂
もう観に行きましたか?
季節の花も木々も、案外ご近所で楽しむことができるのではないでしょうか😲
普段はイソイソと動いてなかなか足元や植物に目がいかないかもしれませんが、少しゆっくり歩いてみれば、季節の移り変わりを感じるかもしれません。

紅葉を観て楽しむ習慣は、日本では随分昔からあったようです。
山や野に紅葉を観に行き楽しむことを「紅葉狩り」といいますが、この紅葉狩りは奈良時代から平安時代に貴族の間で始まったとされています。
庶民の間でこの習慣が始まったのは江戸時代。美しい景色を眺めながら、お弁当やお酒を持ち寄って楽しんだそうです。
そもそも、なぜ「紅葉狩り」と言われているのがご存知ですか?
狩りと言えば、野山の獣を狩る…という意味で使われることが多いですが、ここから派生して果物のぶどう、いちごを狩る=果物を採るという使われ方がされたようです。
そこからさらに発展して、植物=葉=紅葉 を狩る→観て楽しむ と使われたとのことです。
ただし、この言葉の意味には諸説あり、明確なことはわかっていません。
由来1
狩猟の意味での狩りをしない貴族が、狩猟と同じようにわざわざ足場の悪い山まで行って自然を愛でることから「狩り」というようになった
由来2
平安時代の貴族が、紅葉を観賞する時に「狩りに行く」と洒落で言った
由来3
紅葉や草花を手折り(たおり・手で折り取ること)、手に取って眺めることを「狩り」と言った
参照:紅葉狩りはなぜ”狩り”?意味と由来とは?食べ物は何?(https://jpnculture.net/momijigari/)
【葉の色が変わる仕組み]
紅葉とは、落葉する前に葉の色が赤・黄色に変化することをいいます。
実際、紅葉した葉の色は、赤、黄、褐色などがあり、紅葉(モミジ)という漢字を当てているのは、モミジの葉が最も鮮やかな赤に変化するからとされています。
●モミジ●
日本に自生する落葉高木。3~4月に芽吹き、4~5月に小さい花を咲かせ、その後は翼果を付けます。丈夫で管理がしやすいことから公園樹、庭木、鉢植え、盆栽に利用されています。樹高は10mになります。似た木の「カエデ」とは葉の形状に違いがあります。掌状に切れ込みが葉柄の近くまで深く入り、葉先が6~7枚に分かれているものをモミジといいます。
(参考:https://botanica-media.jp/libraries/plants/posts/265)
紅葉は、落葉シーズンになると、葉緑体が減り、緑以外の色が表に出てくる仕組みで起こります。
葉の中にはこの葉緑体といわれる緑色の粒子がありますが、これはクロロフィルという緑の色素と、カロテノイドという黄の色素で構成されているのです。
秋となり気温が下がると、葉の働きは弱くなって、クロロフィルが壊れ、黄色のカロテノイドが目立つようになります。
普段は、クロロフィルの量がカロテノイドの8倍もあることから緑に見えていますが、クロロフィルの減少により、カロテノイドの黄色がよく見えるようになるというのです。
ちなみに赤く紅葉するのは、気温が低下し、クロロフィルが減少すると同時に、葉に残る糖分からアントシアニンが作られます。
アントシアニンが赤を発色するので、葉が赤く変化する仕組みなのです。

紅葉は美しい景色を作り、私たちを楽しませてくれる一方で、季節が寒い時期へ変化する過程として、すこし寂しさも感じさせます。
『葉っぱのフレディ 作:レオ・バスカ―リア』という絵本をご存知ですか?大変有名な、多くの人を感動させた絵本です。
この絵本は、生まれてから亡くなるまでの「命」の過程を教えてくれる感動作ですが、主人公の葉:フレディが紅葉すると、周りの友人たちが徐々に褐色していき「さようなら」と先に落葉していく様子が描かれています。
昔はこの場面を読んでいた時には非常に寂しさを覚えましたが、現在紅葉の道を歩いていると、落ちた葉が次の役割を果たしていることに気づきます。
人が落葉を踏み、そのカサカサ音を楽しみ、暖かくなる日を待つ虫たちが布団にしています。植物にとっては、大事な栄養になります。
落葉して終わりではなく、次の誰かのためになっていると思うと、この命も終わりではないのでしょうね!
皆さんも短い紅葉シーズンをぜひ楽しんで過ごしてください🍂

※筆者の住む地域で撮影。毎年ケヤキの木が綺麗に紅葉します。

※愛犬も寒くなってくると元気に散歩してくれます。紅葉をバックに。
AIPPI・JAPAN事務局 執筆者:T